クリーニングのプロが答えるQ&A家庭でのお洗濯のコツ

「泡立ちのいい洗剤」「泡立ちの少ない洗剤」どっちがいいの?

お好みで問題ありませんが、私としては、泡が適度に必要であると考えます。

洗濯の場合、汚れを落とすのに大事なのは、泡ではなく、界面活性作用です。そのため、泡は洗濯において重要な役割を持ちません。それどころか、ドラム式洗濯機は、ドラム内に泡が充満すると、泡が必要以上にクッションの役割を果たしてしまい、ドラム式本来のたたき洗いが出来なくなります。
また、縦型洗濯機の場合も泡立ちすぎると泡切れが悪く、洗剤成分が残ってしまうことがあるため、エコの観点からも、最近は、泡立ちの少ない洗剤が主流です。
では、泡は必要ないのかというと、違うと思います。
洗濯において視覚やイメージは大事です。そのため、私個人の意見としては、泡立ちが全くない洗剤より、少し泡立つくらいの方が綺麗になっているような気がします。

シーツの洗濯頻度を教えてください

我が家は週1回です。

普通のご家庭でシーツを洗うのはやはり大変だろうなと想像してしまいますが、実は干す方が大変です。日本ではシーツは洗って天日干しというイメージがありますが、衣類乾燥機で乾かすことが一番のおススメです。日本での乾燥機の普及率はおおむね60%弱のようです。日本より衣類乾燥機の普及率が高いと言われている欧米では週1回以上、シーツを替える割合が6割を超えるというデータもあります。
乾燥機がない、どうしても天日に干したいという方は干し方を工夫しましょう。シーツがМ字型になるように重なる部分を減らして干すと速く乾きます。
シーツを替えることは手間かもしれませんが、清潔なシーツはこれから夏本番に向けて上質な眠りを必ず提供してくれますよ。

柔軟剤を入れているのにゴワゴワするのはなぜ?

柔軟剤の入れ過ぎが原因かもしれません。

そもそも柔軟剤は、洗濯物の表面をコーティングすることで威力を発揮します。柔軟剤を入れすぎると必要以上のコーティングがされてしまい、柔らかくなるどころか、逆にゴワゴワ・ベタベタしてしまいます。
また、柔軟剤の入れすぎは、ニオイがきつくなりすぎる、吸水性が悪くなる、黒ずみの原因になるといったデメリットもあります。
ある機関の調査によると、約半数の人が柔軟剤を入れすぎているそうです。もっと柔らかく、もっといい匂いをという気持ちは分からなくはありませんが、入れすぎにも注意が必要です。

たたむ衣類とたたまない衣類の見分け方を教えてください

いくつか基準がありますが、まずは「織物」か「編物」かです。

「織物」はワイシャツ・ブラウス・スーツなどと考えていいです。「織物」は、たて糸とよこ糸を交差させて出来ており、型崩れしにくいため「たたまない」でOKです。一方、セーター・トレーナー・Tシャツなどが「編物」です。「ニット」とも呼ばれています。伸縮性に優れている反面、型崩れしやすいため「たたむ」衣類となります。重要なのは素材ではなく編み方で判断するという事です。

部屋干しのコツを教えてください

匂いの元となる雑菌の繁殖を抑えるためには、洗濯物が重ならないように干しましょう。

部屋干しで一番気になる匂い。その原因は汚れや雑菌の酸化です。つまり汚れを良く落とし、素早く乾かせば、雑菌の繁殖が抑えられ、ほとんど匂いはしないと言うわけです。それ以外に、洗う前は洗濯物を洗濯機に入れてためておくのではなく、洗濯カゴなど通気性の良い容器に入れておくことが大切です。また、雑菌が残るかもしれませんので、お風呂の残り湯を使うのも極力控えましょう。そして洗い終わったら素早く干しましょう。この時、カーテンレールなどに干すと洗濯物が重なり乾きにくくなりますので、必ず、風の通り道を作るようにしましょう。エアコンの除湿機能なども効果的です。