クリーニングのプロが答えるQ&A

スーツをクリーニングに出す頻度を教えてください

月に一度はクリーニングに出すべきだとご提案します。

スーツに限らず衣類は着用しているだけで汚れます。衣類についた皮脂が空気中の煤(スス)などを吸着してしまうためです。そのままにしておくとスーツが傷む原因となります。ネットでは、あまり頻繁にクリーニングすると生地が傷むという記述も見受けられます。私は普段スーツを着ませんが、一度着用すれば必ずクリーニングします。(もちろんクリーニング屋だからですが)月にすると2回から3回です。それでもスーツが傷むという事は全くありません。スーツが傷むのはやはり着用中であり、着用時間によるものが最大の原因です。もしそれでもスーツが傷んできたなと感じたなら、スーツの寿命が来たという事でしょう。
クリーニング店はメンテナンスのプロです。スーツの状態・生地・シミの有無などによって適切なメンテナンスを提供しているはずです。まだまだスーツはビジネスシーンの主役であります。そんなスーツを適切にメンテナンスして、クールに決めてもらいたいものです。

部屋干しのコツを教えてください

匂いの元となる雑菌の繁殖を抑えるためには、洗濯物が重ならないように干しましょう。

部屋干しで一番気になる匂い。その原因は汚れや雑菌の酸化です。つまり汚れを良く落とし、素早く乾かせば、雑菌の繁殖が抑えられ、ほとんど匂いはしないと言うわけです。それ以外に、洗う前は洗濯物を洗濯機に入れてためておくのではなく、洗濯カゴなど通気性の良い容器に入れておくことが大切です。また、雑菌が残るかもしれませんので、お風呂の残り湯を使うのも極力控えましょう。そして洗い終わったら素早く干しましょう。この時、カーテンレールなどに干すと洗濯物が重なり乾きにくくなりますので、必ず、風の通り道を作るようにしましょう。エアコンの除湿機能なども効果的です。

衣食住はどうしてこの順番なの?

人間が生きていく上で最低限の優先順位で、「食」や「住」も大事ですが、人間は「衣」がないと生きていけないということを表しているんだと思います。

生まれてきた時の赤ちゃんを思い出してください。赤ちゃんは産湯に入り、体の汚れを取り除きその後は?お乳ですか?いえ、まず「おくるみ」です。衣類をまとうことが最優先なのです。新生児は体温調節が未熟のため真っ先に体を温めることが必要なのです。食事=授乳よりも住環境=コット(新生児を寝かせるケース)に寝かせるよりも衣類をまとい体温調節をはかることが先なのです。
では、大人の場合はどうでしょうか?東日本大震災で被災し、津波に流されるも一命をとりとめた方々の話を伺うと「まずは着替えたかった」と聞きます。着替えを自宅へ取りに歩いたり、着替えがなければ毛布にくるまったりして暖を確保することが先だったそうです。3月でしたから当然です。その後、水や食料で空腹を満たし、避難所等の住環境の確保。このときも「衣>食>住」の順番です。この順番を意識して衣食住の言葉を定めたかはわかりませんが、人間が自分自身の命を守るために行動する順番そのものが衣食住となっているように思います。

洗濯機に入れる洗濯物はどれくらいがいいの?

洗濯機の容量の7割がベストです。

基本的に単位は重さ(乾燥重量)なのですが、だいたいの見た目容量で問題ありません。コインランドリーなどに行くと洗濯機や乾燥機に適量の線が引いてある場合がありますよね。少なすぎず、多すぎずやはり適量がベストです。
ではなぜ洗濯機いっぱいに洗濯物を入れてはいけないのか。理由は3つあります。
1つ目は洗濯機の中で衣類が回らない。つまり機械力が働かず汚れが落ちない。
2つ目は必要以上に衣類が引っ付きすぎ汚れや色が移ってしまう。
3つ目はすすぎがうまくいかず、洗剤残りが発生し異臭の元となる。
洗濯物の量を調整するだけで劇的に汚れがよく落ちたり、嫌なニオイがしなくなったりすることがあります。色移りなども防げますので、色別に分けるなどして、面倒でも数回に分けて洗濯機を回してみてはいかがでしょうか。

花粉を部屋に持ち込まない方法を教えてください

玄関や窓への対策で花粉をシャットアウトしましょう。

家の中でも花粉症の症状が治まらない場合は、外から花粉を持ち込んでいる場合があります。まず玄関のドアから入る前に大まかに花粉を払いましょう。そして玄関で衣類の表面に付いた花粉を除去します。最近では花粉をキャッチするブラシもありますし、衣類用の粘着テープでも構いません。忘れてはいけないのが、ズボンの裾や帽子、バッグや髪の毛。いちいち面倒ですが徹底して玄関で花粉やホコリを除去しましょう。
また、玄関にそれほど高機能でなくともいいので空気清浄機を置きましょう。
どうしても窓を開けないといけない場面もあると思います。ですので網戸やカーテンも一週間を目安のお手入れをしましょう。